先日、モーニング娘。'20の69枚目シングル『純情エビデンス』のMVが公開された。
勝っている。今のモーニング娘。が、また新たなステージに立っている。
この純情エビデンス、初めて披露されたのが9月くらいのテレ東音楽祭だった。正直に言うと、このときはそこまでこの曲にハマれなかった。アイドルメドレーみたいな流れでの披露だったので、特に曲紹介がないまま、あっさり披露した、ということもあるだろうし、単純に新曲だったのでこっちが初聴きだったのもあると思う。やっぱり曲を少し知ってから、テレビでの披露を聴きたいものだ。
でも、1番大きくハマりきれないなと思った理由は、メンバーから伝わる緊張だろう。地上波、初披露、初本番、というこの三拍子が揃ったテレ東音楽祭。どことなく堅苦しいメンバーの緊張が伝わってきた。なんか、もっと伸び伸びやってほしい。ライブでのあの表情を見せてほしい。その時期、Youtubeで娘。のライブ映像ばかり見ていた私は、勝手にそう思ってしまった。(メンバーは何も悪くないよ。ただただ私の見方の問題だよ。)
という印象があった純エビ。だけど、なんということでしょう。MVは14人全員が自分らしさを出して、とてもイキイキしているではありませんか!
MVを初めて見たとき、これだ!と思った。これが、私の惚れたモーニング娘。だと。
私は、今年になって娘。及びハロプロを覚えた新規なので、今のモーニング娘。しか知らない。今しか知らないなりに、今の娘。の集大成が、今年1月発売の曲、『KOKORO&KARADA』だと思っていた。
初めてこの曲に出会ったとき、これ以上があるか?と思った。今、この曲が歌えるアイドルはモーニング娘。だけだし、黄金期でもプラチナ期でもカラフル期でも違う、リーダー譜久村聖を筆頭に積み上げてきたモーニング娘。'20の集大成だと。(なんか偉そうなこと言ってますが、私が娘。を覚えたのは今年の5月)
もうココカラを超えるのは無理なのではないか、あとは次々と卒業ラッシュを迎え、世代交代となるのではないか、そう考えていた。
だけれども、そんな私の考えを根本的にひっくり返してきたのが、彼女たちであった。ここで、もう一度『純情エビデンス』のMVを貼っつける。
まず目に入るのがこのサムネ。15期の北川莉央。最初、誰!??!??て思ったんだけど、あ…おんちゃんか………………おんちゃん!!?!!??!!!え!???!???あの去年加入した15期水利きができてんのかできてないのかいまいち分からない北川莉央さん!???!??!!!???と、時差で脳内処理が追い付いていった。このサムネを駅前で配るだけの仕事がしたい。
サムネだけでもすでにヤベぇのに、再生したら、さらにヤベぇ。
ん???全員ビジュアル担当か??????????14人それぞれの1番良い表情を見事カメラがおさめている。
このMV、カット的には、ダンス、ソロ、ユニットという、よくある1番シンプルな構成。それに、ダンスカットドローンを使って上下左右だけでなく画面の奥行きを付けたり、ソロカットでは横向きのアングルも用いて、視覚の変化をもたらしている。モーニング娘。'20という素材を、素材の美味しさのままどこも汚すことなく彩る演出。そんな工夫された演出に負けないメンバーのビジュアル。ビジュアルと演出が均等につり合った最高級のMVだろう。(監督は、つばきの『I Need You ~夜空の観覧車~』や、アンジュの『限りあるMoment』などを担当した森田亮監督。)
そして単純に曲がいい。イヤホンで聴いたらより分かるのだが、耳の奥に響きわたるビート音、奥行きのある3Dなサウンド、さすが信頼と実績の編曲平田祥一郎である。私の1000円+消費税の安いイヤホンでも、分かる曲の良さ。でもやっぱり、高いイヤホンください。
そして、純情エビデンスの作詞作曲は、言わずもがな、つんく♂さんなのだが、そのつんく♂さんが自身のnoteにこう告げている。
この歌詞に出てくる「純情」とは「新鮮味」「ピュアな心」という意味でもあって。
無心にモーニング娘。に入りたい!
歌手になりたい!
有名になりたい!
というような気持ちで飛び込んできたあの気持ち、つまり「純情」は今も持っているわという宣言なのです。
「純情」のエビデンス(根拠)を掲げるわ。
信じられないならどうぞ、検証してみてください。
ここまで言い切る私は生意気でなかなかいいでしょ!?
可愛いでしょ!?好きでしょ!?
ということを叫んでいます。
サビで何回も繰り返されている「Next Door」という言葉。そのままに捉えると、これからの時代、まだまだ挑戦し続ける。といったところだろうが、実際の歌詞はその前に、「もう ね Next Door」「そう ね Next Door」となっている。この「もうね」「そうね」という言葉にはどこからか自分に言い聞かせている強さが窺える。妹にすらまだ自分の信念は伝えていないけど、もう、次のステージに私はいるの。ニキビや見栄えは気にしてなんかいないよ、そうね,次のステージに私はいるんだもん。といったような。否定語である「ない」から、純エビの主人公の強がりの中にある不安や弱さを受け取ることができる。
そんな若者たちに送るつんく♂さんからのメッセージを、モーニング娘。'20が歌う意義。自信満々に、彼女たちの努力による今の歌唱力と表現力で「生意気でしょ?」「可愛いでしょ?」と歌い上げる。
こんなにもカッコいいものがあるだろうか。
上で、ココカラを「リーダー譜久村聖を筆頭に積み上げてきたモーニング娘。'20の集大成」と言ったが、この曲は、また新たなモーニング娘。時代を創る曲なのであろう。
ココカラで見せつけた圧倒的9期~11期の強さ。もちろんこの純エビも圧倒的存在感と強さを誇っているのだが、12期~15期の次世代の強さがまた輝いている。譜久村佐藤小田と同じ、Bメロ高音パートを歌う野中。そのあとセンターにやってくる牧野羽賀。加賀の圧倒的ラスボス、横山と森戸のビジュアル勝ちカット、岡村山崎のあどけなさの中にある強さ、北川の化け具合。これからを担っていく下の世代の成長に大きく驚かされる。「これからは私たちの時代よ」といったような。
恋愛ハンターからのEDMを用いて新たなモーニング娘。を生み出した時代の集大成がココカラだとしたら、この純エビは、またこれまでとは違う、新たなモーニング娘。の新ステージとなる曲なのではないだろうか。
また、このMVのイントロ、まるでモーニング娘。の頭文字「M」のようなフォーメーションを取っているところがある。これもまた、過去からの脱却。未来へ向かってといったことを表現しているのではないだろうか。
これから何が起こるんだ!と、とてもワクワクする反面、どこからか世代交代の雰囲気を感じてしまう。やだー!!!!!!誰も卒業しないでーーー!!!!!!!
だから結論!
モーニング娘。はこれからが面白い!
と、先程のnoteでつんく♂さんがおっしゃっているのだが、これからさらに「今」を更新していく彼女たちから目が離せない。
最後に、MVの1分50秒のほまたんが最高に可愛いので、皆さんよろしくお願いします。